ダイナミックバランスサーフィンの生まれ

 

道具の性能や理論が確立されていなかった20世紀は、いきなり海に入るしかできなかったのも事実ですがこの20~30年間でその道具の性能や理論が凄まじく変化しました。

その結果、今の時代にあったダイナミックバランスサーフィンというものに達しました。

 

ダイナミックバランスとは、不規則で不安定な自然の波の動きに対して、バランスを復元する運動能力で、ビルの免振構造のような体内における微振動かつ振幅運動ことです。

その運動能力を利用するサーフィンがダイナミックバランスサーフィンです。

 

なぜダイナミックバランスサーフィンなのか、なぜ今の時代のサーフィンに必要なのか、サーフィンの歴史を紐解きながら説明したいと思います。

ロングボードが生まれる

サーフィンは、古くから木材のボードで行われていましたが、1960年代にウレタンフォームのボードが生まれ、ビーチボーイズやベンチャーズなどのサーフィンサウンドとともに、ロングボードサーフィンが世界中に広がっていきました。

海の上でも十分に浮力があり、正座してパドル出来る安定したバランスで10フィート前後のロングボードが大人気でした。波に乗りボードに立ち上がり、踏ん張っていれば岸までライディングを楽しめました。今でもサーフィンスクールで体験できる初心者コースはこれと同じです。

 

片足バランスの体重移動でターンが生まれる

それまで真っ直ぐ岸に向かうことしか出来なかった昔の木材ボードサーフィンからの大きな変化は、フィンが発明されたことです。片足バランスになることで体重移動してロングボードをターンすることができるようになり、フィンがあることで波に対して横に波のスピードより速くライディング出来るようになりました。

片足ずつ体重移動することでロングボードの上をウオーキングし、ノーズに両足を乗せるハングテンという技は一世を風靡し、体重移動で急激にステップ操作するカットバックやボトムターンなどのテクニックが生まれていきました。体重移動で波の上を自由にターン出来るサーフィンの始まりです。

 

ボードの中心で操作するショートボードが生まれる

多くのサーファーがロングボードを自在にターンすることに魅力を感じると、ボードを短くしたほうがターンの操作がしやすいことに気づくようになりました。

1970年にはサーフボードは6フィート前後になり、ロングボードの横にターンするサーフィンから、波に対してボードを自在にアクションさせる動きが注目されるショートボードの時代になりました。

ロングボードとショートボードの大きな違い

動かない安定した地上で静止している(踏ん張る)状態をスタティックバランスと言います。

大きく浮力があるロングボードは、それ自体の重力による復元力もあり平水面では安定しスタティックバランスでバランスを保持されます。

一方で軽く薄いショートボードは、ボードの中心にサーファーが正確に乗らないとバランスもとれなければ操作も出来ません。ショートボードは波に乗り波の推進力による揚力を得るまでボードは安定しません。静止しても安定している四輪車と、推進力が無いと転倒してしまう二輪車の違いと同じです。

見た目は激しくても、身体の動きは微細に

インターネット上に溢れるサーフィンの動画はボードの大きなアクションと波のスプレーに目が奪われがちですが、実際には体内の微細な振幅運動をすることによってボード操作が可能になります。この微細に振幅運動する動きは身体の内側の動きで見えにくいですが、ショートボードはこの微細に振幅運動することでボード操作が可能になります。

サーフィンの動画で上半身や手が大きく動いてみえるのは、体内の微細な振幅運動によるボードの動きに同調して起こるのであって、上半身や腕や手が先行して動作することはないのです。従って上半身をいくら動かしてもボードは操作できないため、体内のダイナミックバランスを使うことが重要になります。

ツインフィン、トライフィンが生まれる

ショートボードで波を横にライディングするスピードを追求するためにボードはさらに細くなりました。やがて細いボードを2枚並べ、ライディング方向により片側を交互に使うデザインとして両サイドにフィンを着けて横へのスピードを追求したツインフィン(左右2つのフィン)が生まれました。さらに、ボードの中心にフィンを着けることでさらに上下左右への動きが加わるトライフィン(中心と左右の3つのフィン)が生まれました。

ところで、昔フィンを外してライディングするコンテストがありました。激しいアクションは無理ですが、より基本に忠実にボードの中心でバランスを取り、そこから操作することでライディング出来ました。

つまりボードの中心で、身体の微細な振幅運動による体内の操作であるダイナミックバランスのサーフィンが出来ればフィンを補助具として考えて操作できるということです。

自然のエネルギーに逆らわず、それを上手く利用する

自然の波の力を上手く利用するには、踏ん張って波の動きを抑えるのではなく、むしろボードの「揺れ」をボードの中心でバランスをとることで柔らかく身体に受け入れること、つまり身体が微振動かつ振幅運動して、どちらの揺れも中心に集約することで安定するというのがダイナミックバランスの考え方です。

地球の自然エネルギーを上手く利用するノウハウと理論が理解できれば、筋力を鍛える必要もなく、力を入れず用具を上手く操作するだけで波にも乗れるようになります。

最後に

今やサーフィンに関する情報や動画インターネット上でいつでもすぐに手に入ります。しかし、ボードを上手くコントロールするために必要な、あなた自身の身体動作に関する情報は少ないと思います。

私はそのことに気付き、日常ではなかなか体験機会がないサーフィンに必要な動作を、陸上でシュミレーションするトレーニングを充実させてきました。そして、トレーニングを受けることで初級者から上級者まで確実に上達出来るようになっています。

自分の身体の操作がよくわからない、上手く出来ないという方は、ダイナミックバランスサーフィンのトレーニングに参加してください。

筋肉痛はなくなり、以前のように疲れることもなくなり、波にも沢山乗れてサーフィンが楽しくなる。そんな成果を実感することで、サーフィンを楽しむための新しい理論として皆さん自身が、未来に向けて発信、共有してほしいと願っています。

ドジ井坂

 

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ドジ井坂とは?

1976年、全日本プロサーフィン選手権初代チャンピオン。プロサーフィン競技活動から引退後はサーフィンをはじめマリン・ビーチスポーツのDJ、海、海岸などの全体のプロデュースやプロモーション活動に行う。

30年以上に渡って数千人をサーフィン指導するなかで、サーフィンのさらなる研究、トレーニング用具やトレーニング理論を進化させ、21世紀の新しい理論としてダイナミックバランスサーフィンを確立する。

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